ホスファチジルセリン

 大豆由来レシチンから生産される。脳機能改善、アルツハイマー病の改善と進行遅延作用、ストレス緩和作用、脳内グルコース代謝の活性化、アセチルコリン分泌促進、イオンポンプの活性化、神経細胞の樹状突起増加などの各作用が報告されているが、そのメカニズムは明らかでない。
 科学的根拠として、痴呆症、記憶障害、アルツハイマー病、運動ストレス、心理的ストレス、認知症の患者に対する二重盲検試験があり、有意な改善効果が報告されている。

ポリフェノール

 分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基(OH))を持つ植物成分の総称。ほとんどの植物に含有され、その数は5,000種以上に及ぶ。光合成によってできる植物の色素や苦味の成分であり、アントシアン、タンニンやカテキンなどのタンニン類、ケルセチンやイソフラボンなどのフラボノイド類からなる。フラボノイドを豊富に含んでいる食品としてはチョコレート、ココア、緑茶、紅茶、ワインなどが知られている。
 ポリフェノールは抗酸化作用により活性酸素を除去し、動脈硬化や心臓病の予防、免疫力の増強、抗アレルギー作用、血管の保護、発がん物質の活性化抑制、老化抑制などの効果があると言われている。

フラボノイド

 植物に広く存在する色素成分でクロロフィルやカロチノイドと並ぶ植物色素の代表的な総称。 植物の花、葉、茎、果実などに、黄色または橙色を与えている。広義には赤、紫、青を発するアントシアニンもフラボノイドに分類される。特殊なものを除き植物の色素は、カロチノイドかフラボノイドのどちらかに属する。
 フラボノイドを多量に含む赤ワインや茶類の機能性が注目されている。ルチン、ヘスぺリジン、エリオシトルリンなど称してビタミンPと呼ぶことがある。
 生理的作用としては強い抗酸化機能を有し、同時に抗酸化物質であるビタミンC、ビタミンE、クエン酸と使用すると抗酸化作用の相乗効果を示す。抗変異原性、発がん抑制、抗菌、抗ウイルス、抗アレルギー、抗血液凝固、血圧降下、消臭作用、血管保護および血流増加、動脈硬化予防、老化抑制作用など多様な作用が推測されている。

メラトニン

 脳の松果体から内分泌されるホルモンで、夜間に分泌量が増えて昼間低下することから概日リズムの形成および睡眠と覚醒リズムの変調を正常化し、睡眠・生体リズムを調節する。主として不眠症や時差ボケの解消など睡眠障害の治療に利用されており、近年ではうつ病の治療に期待されている。抗酸化作用、老化防止作用なども期待されるが、生殖毒性や医薬品との相互作用などが危惧される。子ども、妊娠を希望する女性、妊婦、授乳中の使用は避けた方がよい。

レシチン

 卵黄、大豆、酵母、カビ類などに含まれるリン脂質で、生体膜の主要構成成分。体重の約1%がレシチンであり、リン脂質としては最も多く、細胞膜などの生体膜や脳、神経組織の構成成分として重要である。体内で脂肪はタンパク質と結合して血液中を移動するが、このタンパク質と脂肪の結合にレシチンを必要とする。
 臨床的には痔や皮膚病の治療薬、アルコール性肝障害に伴う肝臓の繊維化と肝硬変の予防、肝障害の改善、C型肝炎の改善などが報告されている。
 作用としては、脳内のアセチルコリン(神経化学伝達物質)合成に不可欠な成分であることから記憶力や集中力を高め脳の機能を保持する。認知症の予防、動脈硬化の予防、糖尿病の予防、脂肪肝の改善、肥満の解消・予防などである。不足すると、疲労、免疫力低下、不眠、動脈硬化、糖尿病、悪玉コレステロールの沈着など多くの症状の原因となることが知られている。しかし、経口摂取で下痢、吐き気、腹痛などが報告され、ヒトでの有効性・安全性については信頼できるデータに乏しい。妊娠中・授乳中および通常の食物中の含有量を超える摂取は避けるべきである。

苦瓜(ゴーヤ(沖縄))

 ウリ科ツルレイシ属蔓性1年生草本で、果実に特有の苦みがあり、食用としての風味となっている。熱帯アジアが原産地で、中国や東南アジアでは重要な野菜となっている。ヨーロッパでは観賞用として栽培されている。日本では南西諸島と南九州で多く栽培されてきた。比較的害虫に強く、日照、気温と十分な水さえあれば、肥料や農薬はほとんど使わなくても収穫が得られるため、全国的な広がりを見せ、家庭菜園でも人気が高い。 沖縄では古くからゴーヤ(苦いうりの意味)と呼ばれ、夏の重要な野菜である。 1.主な成分と効果  果皮を中心に、ビタミンC、ビタミンB1、B2、葉酸、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維が豊富。種子には共役リノレン酸を含む。 苦み成分はチャランチンとモモルデシン、コロコリン酸であり、チャランチンとコロコリン酸は植物インスリンともいわれ、血糖値の正常化に働き、糖尿病の血糖値改善(食後高血糖改善)に役立つ。動物およびヒトで、肝臓や筋肉へのブドウ糖の取り込みを促進し、グリコーゲンの合成を促す。  科学的根拠としては、糖尿病患者に苦瓜を投与すると空腹時血糖や食後高血糖が改善されたとする報告は数多くある。また、動物実験において、糖尿病改善効果、抗ウイルス作用、抗炎症作用、コレステロール低下作用、抗癌作用なども報告されている。 1)チャランチン  脂溶性の物質であり、膵ランゲルハンス島のβ細胞に働きかけてインスリンの分泌を促し、血糖低下作用が知られている。血糖値が下がった場合は、α細胞からグルカゴンを分泌し血糖値を上昇させ血糖値を安定させるので低血糖にならない。すなわち、インスリンとグルカゴンの分必を促進し、血糖値を調節する作用がある。 2)モモルデシン  抗酸化作用をもつサポニン類の一種で、食物繊維、苦味成分の1つ。食物繊維は腸内の善玉菌の増殖を促進し、糞便量を増やし、腸内環境を整える。サポニンはコレステロールや老廃物を排出し、動脈硬化、糖尿病、がんの予防、胆汁酸の分泌や産生を促してコレステロール値を低下させる。血糖値や血圧を下げ、食欲増進作用、整腸作用などがある。 3)ビタミンC  抗酸化作用があり、苦瓜100g中にビタミンCが76mg含まれ、加熱に強い。 4)共役リノレン酸は脂肪の吸収や蓄積を抑制する。 5)その他  ビタミンBはエネルギー(ATP:アデノシン三リン酸)の生産に不可欠であり、疲労回復、皮膚や粘膜を正常化に役立つ。鉄分と葉酸は貧血を予防する。カリウムは腎臓でナトリウムの排泄に働く。 2.注意事項  サプリメントとして摂取する場合、健康被害や副作用は知られていないが血糖低下作用があるため、効果の現れやすい子どもや高齢者では注意が必要。また、妊娠中や糖尿病患者の場合は医師に相談する。腹痛や下痢といった消化器症状、頭痛などが現れた場合は服用を見合わせる。 (近藤雅雄:平成27年8月11日掲載)  

ラクトフェリン

 1939年、ベルギーにて牛乳成分の中に赤いたんぱく質が発見され、乳(ラクト)と鉄(フェリン)からラクトフェリンと命名された。  ラクトフェリンは哺乳動物の乳に含まれている多機能タンパク質で、母乳中にも含まれ、生れたばかりの赤ちゃんが、母親から受け継いだ抗体により、風邪などの病気にかかりにくくなっている。特に初乳には5∼8g/L含まれ、通常の母乳の2~3倍多く含まれている。初乳を飲むことによって感染などに対する抵抗力を持つ。  効果としては、微生物の増殖を抑える抗菌作用、大腸菌などの悪玉菌の増殖を抑え、ビフィズス菌などの善玉菌の増殖を促進する。その他、抗炎症作用、免疫強化、抗ウイルス作用、がん予防、がん転移抑制効果などが知られている。(近藤雅雄:平成27年8月7日掲載)

クロロゲン酸

 コーヒー酸(カフェ酸ともいう)とキナ酸のエステル化合物。コーヒー豆から初めて単離され、現在ではエゾウコギ、多くの双子葉植物(ナス科、セリ科、キク科に多く見られる)の種子や葉から見いだされている。コーヒー豆中5〜10%近く含まれ、含有量はカフェイン(1〜2%)よりも多い。  クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、コーヒーの苦味や香りを出したり、ゴボウなどの野菜の切り口を茶色く変色させたりする成分。食品加工中の褐変や変色の原因となる。  クロロゲン酸の効果としては、抗酸化作用、消臭効果、発癌性物質の生成を抑える効果、胃潰瘍発生予防効果、老化防止効果、ダイエット効果などが報告されている。  しかし、コーヒーに含まれているクロロゲン酸量は微量で、コーヒー1杯には、約0.1gのカフェインが含まれている。しかも、クロロゲン酸は熱に弱く、200℃以上で焙煎するとコーヒー酸とキナ酸に分解され、生コーヒー豆中に含まれるクロロゲン酸量は5%以下になるという。したがって、コーヒーを飲んでも、カフェインは摂取できるが、クロロゲン酸はほとんど摂取できない。だから、コーヒーを飲んでいても痩せない。(近藤雅雄:平成27年8月7日掲載)

麦類若葉食品

 からだに不足しがちな緑黄色野菜の補給として、麦類若葉食品は飲みやすい手軽な青汁として好評である。大麦、小麦、ライ麦の幼穂形成期前の若葉を摘み取って絞り、これをろ過したエキス製品である。
 麦類の若葉は、緑黄色野菜以上に栄養素が豊富でたんぱく質、ビタミンB1、C,E,カリウム、カルシウム、マグネシウムが多く,葉緑素、各種抗酸化酵素を含む。とくに抗酸化作用のあるフラボノイドやスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を含んでいることから動脈硬化、がん、高血圧、肝疾患、貧血、骨粗鬆症などの予防と改善、疲労回復、精神安定などの多彩な機能を持つといわれている。

ギムネマシルベスタ食品

 インド、東南アジア、熱帯アフリカ、オーストラリアなどに自生するつる性植物で、インドでは2500年前から生薬として健胃、強壮、糖尿病治療などに用いられてきた伝承医学であり、最近ではダイエット効果でも注目されている。
 ギムネマとは「砂糖を壊すもの」というヒンディー語で、ギムネマ・シルベスタの葉をかむと1~2分で甘味だけを感じなくなる。この作用はよくわかっていないが、舌の味細胞の甘味受容体の興奮抑制作用と推測されている。また、葉に含まれているギムネマ酸は小腸からの糖吸収抑制作用、虫歯を防ぐ抗う蝕作用、血糖値と血中インスリン値の上昇抑制が認められ、糖尿病の改善に効果があるといわれている。しかし、ギムネマのヒトにおける安全性や有効性は不明確である。

まこも食品

 河川や湖沼などの水辺に群生するイネ科の多年草植物で、クロロフィルと食物繊維の含有量が多く、その他、ビタミンB1、B2、鉄分、カルシウムなどを含む。
 主な効能としては免疫力の増強、糖代謝促進、血圧調節、性ホルモンの活性、胃腸運動促進などが知られ、胃腸疾患や高血圧、糖尿病などの予防および改善作用があるといわれている。

オタネニンジン根食品

 高麗人参や朝鮮人参として知られているオタネニンジン(ジンセン)はウコギ科の多年草本である。中国最古の薬草書「神農本草経」に記載されており、滋養強壮をもたらす万能薬として有用され、日本では生薬として有名である。
 成分はビタミンやミネラルを豊富に含むが、薬効成分は根茎のジンセノサイドというサポニン配糖体にある。効果としては血液循環の改善、冷え性の解消、免疫機能の強化などが知られているが、その作用機序についてはあまりわかっていない。

プルーンエキス食品

 プルーンは西洋スモモともいわれ、西アジア・コーカサス地方原産のバラ科サクラ属落葉樹の実である。ビタミンAとB1が多く、カリウム,鉄、リン、カルシウムおよびマグネシウムなどのミネラル類を豊富に含む。これら栄養素の生理作用のみならず、プルーンには水溶性の食物繊維であるペクチンが多く、ヨーロッパでは古くから便秘薬代わりに摂取され、整腸・緩下作用が知られている。

梅エキス食品

 酸味とうま味に効果がある日本特有の伝統食品である。梅エキスは青い梅のみを絞り、長時間煮詰めたペースト状もので、1kgの梅から約20gしか取れない。
 梅エキスの成分として、クエン酸、リンゴ酸、ピクリン酸、カテキン酸などの有機酸が豊富に含まれている。 クエン酸は梅特有のすっぱさの原因であり、生体内のエネルギー物質アデノシン三リン酸(ATP)生産に関与することから、疲労回復や新陳代謝を促進する。カテキン酸は胃腸の働きを活発化し、便秘や下痢などを改善する効果がある。ピクリン酸には肝機能を高める効果があるといわれている。これ以外に、冷え性、肩こり、二日酔い、風邪など幅広く効果があるといわれている。
アデノシン三リン酸(ATP)
 ATPは筋肉の収縮、体温生産、たんぱく質の合成、分泌、吸収、細胞の興奮、神経刺激伝達、物質の能動的取り込みなど生体内のエネルギー物質として、生命維持に最も重要な物質である。

レシチン

 ギリシャ語の卵黄に由来し、ホスファチジルコリンとも呼ばれるリン酸と脂質が結合した物質で、細胞膜などの生体膜や脳・神経組織の構成に欠かせないリン脂質の一つである。乳化作用(界面活性作用)があり、マヨネーズなどの乳化剤として有名であるが、コレステロールが血管壁に沈着するのを防ぎ、血栓を溶かして血液の流れを良くする。また肝臓への脂肪の蓄積を防ぎ、ビタミンAやEなどの脂溶性ビタミンの吸収を高める。したがって、脂肪肝、肝硬変、動脈硬化の予防効果がある。最近では認知症防止や肥満予防に効果があるといわれている。
 レシチンには動物性と植物性があり、コレステロールを乳化するのは植物性だけといわれており、卵黄、大豆、大豆加工品、ビーナッツ、酵母などに多く含まれている。(近藤雅雄)

ルテオリン

 ルテオリンはフラボノイドという抗酸化物質の一種で、さまざまな作用を持つ。ルテオリンの代表的な作用の一つとしてあげられるのが、肝臓の解毒作用の促進である。例えば、発生した癌を、細胞外マトリックスを保護することによって、その成長を抑止する作用も報告されている。また、帝京大学薬学部の山崎博士は炎症性サイトカイン(TNF)生産抑制活性を見出し、さらに、従来フラボノイドはあまり生体内に吸収されないとされていたが、ラットを用いた研究では投与量の約4%が、皮膚からもルテオリンやその配糖体が実際に吸収されることを示した。
 最近、岐阜薬科大学の永井博士はアレルギー発症に必須のマップキナーゼの抑制作用が見出し、新しい抗アレルギー薬の候補ともなっている。
 ルテオリンの作用として最も知られているのが、花粉症やアトピーといったアレルギー症状を押さえることである。ルテオリンなどのポリフェノールは、「ロイコトリエン」という炎症を引き起こす物質を作り出す際に必要な酵素を阻害するため、花粉症の症状、とくに鼻づまり防止に効果を発揮すると言われている。したがって、効能としてはしみ、そばかすの予防、アトピー性皮膚炎の改善、アレルギー疾患改善、花粉症、抗酸化作用、免疫力増加などが知られているが、人での科学的根拠はまだ乏しい。
 ルテオリンを含む食品として、ピーマン、しそ、春菊、カモミール、味噌、イチョウ、明日葉などが知られている。(近藤雅雄)

ルチン

 ルチンはビタミンCの研究中に発見されたビタミン様物質で、ビタミンPの一種である。ジャガイモの花やそばの全草(とくにそばの外側の殻に近い部分に多く含まれる)、中国産の豆のエンジュの葉、つぼみなどに含まれ、そばの特徴的な成分である。ルチンはビタミンCとともに働くため、ビタミンCの豊富な野菜や果物と一緒に摂取するとよい。そして、高血圧や脳血管障害の予防など生活習慣病の改善に効果があるといわれる。

ポリフェノール

 大豆のイソフラボン、柿のタンニン、茶のカテキン、玉ネギのケルセチン、ブルーベリーのアントシアニン、ココアのカカオマスポリフェノールなど、分子内にフェノール水酸基をもつ化合物の総称で、その種類は5000種にものぼる。糖分の一部が変化したもので、植物の葉や花、樹皮などに含まれている。
 ポリフェノールの主なはたらきは強い抗酸化作用であり、動脈硬化、がんの予防・改善、血糖値低下、虫歯菌の増殖抑制などの作用があるといわれる。

βカロテン

 野菜、果物、海藻などに色素として含まれるカルチノイドの一つである。
 カロチノイドにはα-、β-、γ-カロテン、リコピンなどの種類があるが、いずれも体内でビタミンAに変化し、免疫力の増加、皮膚や粘膜の増強、老化防止、がん、動脈硬化、心臓病,眼病,風邪などの予防に効果があるといわれている。

フラボノイド

 2個のベンゼン環を3個の炭素原子で結びつけたジフェニルプロパノイド(C6-C3-C6)構造をもつ化合物の総称。C3部分が酸素を介して閉環したクロマン骨格(フラバンの構造式で四角で囲んだ部分)をもつ三環性のものがよく知られ、植物界に広く存在し、食品の色素、苦味、甘み成分になるほか、抗酸化性、エストロゲン作用と抗発がん性と心保護剤としての可能性が提唱されている。植物体内での合成はマロニルCoAとヒドロキシケイヒ酸CoAからはじまり、カルコンで閉環してフラボン構造が出来た後、側鎖にーOH基、-OCH3基などの修飾を受けたり、糖を付けたりして多数のフラボノイドに分かれる。
 現在では5,000種類のフラボノイドが記載され、6つの主要な亜群が知られ、フラボン(アピゲニン、ルテオリンなど)、フラボノール(ケルセチン、ミリセチンなど)、フラバン(ナリンゲニン、ヘスペリジンなど)、カテキン類ナイシフラバノール(エピカテキン、ガロカテキンなど)、アントシアニジン(シアニジン、ペルアルゴニジンなど)、イソフラボン(ゲニステイン、ダイゼインなど)である。これらのフェノール構造を持つ一連の天然物フラボノイドは果物、野菜、穀物、樹脂、根、茎、花、お茶、ワインなどに含まれている。この多くは花、果物、葉の魅力的な色素・味を提供している。
 効用としては抗酸化作用、発がん抑制、動脈硬化予防、血管保護および血流増加、老化抑制など多彩な作用が推測されている。

老化とフラボノイド
 老化の進行を早める後天的因子として、ストレス、紫外線、放射線、温度、栄養、煙草、酒などがあるが、これらの因子による原因として、スーパーオキシド、O2-などの活性酸素が脂質を中心とする細胞成分を破壊・異常化し、しかも連続的・不可逆的に拡大していく活性酸素、フリーラジカルによる作用が注目されている。このような細胞成分の過酸化連鎖を防ぐために、体内ではビタミンC、E、SOD、NADPH、GSH系などの抗酸化機能が働いているが、フラボノイド類の活性酸素消去能はより直接的、強力で、これを外部から投与することによって老化の防止に役立つと思われる。(近藤雅雄)