クロロゲン酸

 コーヒー酸(カフェ酸ともいう)とキナ酸のエステル化合物。コーヒー豆から初めて単離され、現在ではエゾウコギ、多くの双子葉植物(ナス科、セリ科、キク科に多く見られる)の種子や葉から見いだされている。コーヒー豆中5〜10%近く含まれ、含有量はカフェイン(1〜2%)よりも多い。  クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、コーヒーの苦味や香りを出したり、ゴボウなどの野菜の切り口を茶色く変色させたりする成分。食品加工中の褐変や変色の原因となる。  クロロゲン酸の効果としては、抗酸化作用、消臭効果、発癌性物質の生成を抑える効果、胃潰瘍発生予防効果、老化防止効果、ダイエット効果などが報告されている。  しかし、コーヒーに含まれているクロロゲン酸量は微量で、コーヒー1杯には、約0.1gのカフェインが含まれている。しかも、クロロゲン酸は熱に弱く、200℃以上で焙煎するとコーヒー酸とキナ酸に分解され、生コーヒー豆中に含まれるクロロゲン酸量は5%以下になるという。したがって、コーヒーを飲んでも、カフェインは摂取できるが、クロロゲン酸はほとんど摂取できない。だから、コーヒーを飲んでいても痩せない。(近藤雅雄:平成27年8月7日掲載)
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket