レシチン

 卵黄、大豆、酵母、カビ類などに含まれるリン脂質で、生体膜の主要構成成分。体重の約1%がレシチンであり、リン脂質としては最も多く、細胞膜などの生体膜や脳、神経組織の構成成分として重要である。体内で脂肪はタンパク質と結合して血液中を移動するが、このタンパク質と脂肪の結合にレシチンを必要とする。
 臨床的には痔や皮膚病の治療薬、アルコール性肝障害に伴う肝臓の繊維化と肝硬変の予防、肝障害の改善、C型肝炎の改善などが報告されている。
 作用としては、脳内のアセチルコリン(神経化学伝達物質)合成に不可欠な成分であることから記憶力や集中力を高め脳の機能を保持する。認知症の予防、動脈硬化の予防、糖尿病の予防、脂肪肝の改善、肥満の解消・予防などである。不足すると、疲労、免疫力低下、不眠、動脈硬化、糖尿病、悪玉コレステロールの沈着など多くの症状の原因となることが知られている。しかし、経口摂取で下痢、吐き気、腹痛などが報告され、ヒトでの有効性・安全性については信頼できるデータに乏しい。妊娠中・授乳中および通常の食物中の含有量を超える摂取は避けるべきである。
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