豆類

 「豆」とは、一般的に植物分類学上のマメ科に属する穀物を指す。世界のマメ科植物はおよそ 650属、18,000種にも及ぶが、食用として重要なものは70~80種程度と言われている。
 豆類は、炭水化物、たんぱく質、ビタミン(B1、B2、B6など)、ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛など)、食物繊維、ポリフェノール、サポニンを豊富に含み、脳機能に欠かせない栄養素を多く含む。
 豆類に含まれている栄養成分の割合により、次の2グループに大別される。

1.炭水化物主体グループ
 あずき、ささげ、いんげんまめ、花豆、えんどう、そらまめ、ひよこまめ、レンズ豆などで、乾燥豆重量の50%以上が炭水化物、タンパク質が約20%、脂質が約2%であり、健康維持やダイエットに最適な低脂肪・高たんぱく食品と言える。

2.脂質主体グループ
 大豆および落花生で、大豆には乾燥豆重量の約20%が脂質、たんぱく質が30%以上、炭水化物は約30%。落花生は、脂質の含有率が約50%と極めて高く、たんぱく質も25%あり、大豆とほぼ似た構成となっている。

 豆類は食物繊維が多く、あずきおよびいんげんまめにはごぼうの約2倍、さつまいもの約3倍もの食物繊維が含まれ、その他の豆類もごぼうを凌いでおり、豆類は食品の中でも際だって食物繊維の多い食品である。ポリフェノールのイソフラボン類がエストロゲン様の働きをし、閉経後のアルツハイマー型認知症予防に有効とあるが、科学的根拠に乏しい

松葉

 黒松や赤松の葉をすり潰して煮出し、搾り取ってエキスを抽出したもの。松葉は不老長寿の妙薬として、昔から薬効のある素材として民間療法に広く使われてきた。主な成分はクロロフィル、ケルセチン、ビタミンA、C、K、カルシウム、鉄などが含まれている。
 作用として、がん予防、高血圧予防、動脈硬化予防、老化防止、冷え性改善、不眠、食欲不振、神経痛、リウマチなどの改善に効果や脳血管性認知症に有効と言われるが、科学的根拠に乏しい。
 最近の研究では、タバコのニコチンを体外に排出する作用が報告され、喫煙者用に松葉エキス入りのガムやキャンディが市販されている。

ムール貝

 イガイ目イガイ科に属する二枚貝の一種。和名はムラサキイガイ。栄養価が高く、たんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素がバランスよく含まれている。とくに必須アミノ酸を多く含む。ビタミンB12の量が多く、貧血の予防や脳の機能保持に役立つ。ビタミンB2は、三大栄養素のエネルギー代謝にかかわっているほか、人体に有害な過酸化脂質を分解・消去するのに役立つ。マグネシウムは動脈硬化を予防する。マンガンは骨形成の促進。鉄は、貧血の予防や改善に有効。
 天然のものは麻痺や下痢などの食中毒を起こすことが多く、食用する場合は注意する。

メラトニン

 脳の松果体から内分泌されるホルモンで、夜間に分泌量が増えて昼間低下することから概日リズムの形成および睡眠と覚醒リズムの変調を正常化し、睡眠・生体リズムを調節する。主として不眠症や時差ボケの解消など睡眠障害の治療に利用されており、近年ではうつ病の治療に期待されている。抗酸化作用、老化防止作用なども期待されるが、生殖毒性や医薬品との相互作用などが危惧される。子ども、妊娠を希望する女性、妊婦、授乳中の使用は避けた方がよい。

麦類若葉食品

 からだに不足しがちな緑黄色野菜の補給として、麦類若葉食品は飲みやすい手軽な青汁として好評である。大麦、小麦、ライ麦の幼穂形成期前の若葉を摘み取って絞り、これをろ過したエキス製品である。
 麦類の若葉は、緑黄色野菜以上に栄養素が豊富でたんぱく質、ビタミンB1、C,E,カリウム、カルシウム、マグネシウムが多く,葉緑素、各種抗酸化酵素を含む。とくに抗酸化作用のあるフラボノイドやスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を含んでいることから動脈硬化、がん、高血圧、肝疾患、貧血、骨粗鬆症などの予防と改善、疲労回復、精神安定などの多彩な機能を持つといわれている。

まこも食品

 河川や湖沼などの水辺に群生するイネ科の多年草植物で、クロロフィルと食物繊維の含有量が多く、その他、ビタミンB1、B2、鉄分、カルシウムなどを含む。
 主な効能としては免疫力の増強、糖代謝促進、血圧調節、性ホルモンの活性、胃腸運動促進などが知られ、胃腸疾患や高血圧、糖尿病などの予防および改善作用があるといわれている。