[食育-8] 日本型食生活で食育

まさに食べることは命を育むことにつながることから、家庭、学校、地域において食の伝承を行うことが重要になってきます。 nihongata-seikatude 特に学校においては、子供たちが自ら学ぶ「育自」と、教育者が子供と一緒に食べ、料理を作ることで「共育」することが大切です。また食育は職育につながる ことから、子供に限らず大人に対しても食育が必要だと思われます。私自身の経験から、日本人に対する食育を進める際には、日本型食生活の習慣化が何よりも 重要です。 人間には、神経化学伝達物質による神経調節、サイトカインによる免疫調節、細胞内の情報伝達系による内分泌調節という三大情報連絡系があります。この3つ が正しく作用したとき、心と身体の健康が得られます。食事を美味しく食べることにより、自律神経機能、中枢神経機能がホメオスタシスを保つことができま す。また食事を楽しむことによって、ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞が増加します。さらに、正しい食生活のリズムが習慣化されることで、サイロキシン などのホルモン物質の分泌が正しく行われ、それがリズムを持つようになります。 一方、健康食品については、さまざまな問題点があります。たとえば、健康食品だけで健康になったという科学的根拠はほとんど見当たりません。逆に栄養バラ ンスの乱れを促進する危険性があり、摂取方法が難しいという問題もあります。また先ほど板倉先生のお話にあったように、自分の身体の状態、体質に合った健 康食品を選択しなければなりませんが、その基準が明らかになっていないという問題もあるでしょう。そして何より、健康食品はあくまで栄養補助食品であると いうことです。こう考えると、日本型食生活を習慣化することにより、基本的な食材から必要な栄養素を摂取し、免疫機能などを正常に保つようにした方が、容 易に健康維持につながるように感じます。
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