運動とミネラル:激運動による血液中モリブデン量の減少

 運動は動物にとって生命を維持する上で不可欠な仕事であるが、激しい運動(競技用スポーツ)の場合はそれなりの管理が必要となる。そこで、日常的に激しい運動を行っている男子大学駅伝選手および女子高校バスケットボール選手の体内ミネラルの影響について、とくに汗や代謝によって失われる微量元素の血液中の変動を検討した。
 その結果、選手群は男女共に日常的に運動をしていない対照群に比してモリブデン(Mo)量の著明な減少を世界に先駆けて見出した。また、男子選手群では対照群に比してマンガン(Mn), ガリウム(Ga), スズ(Sn)の有意な減少(p<0.05)とニッケル(Ni), カドミウム(Cd)の増加傾向を見出した。女子選手群では亜鉛(Zn)が対照群に比して有意に減少(p<0.05)したが、男子では有意差は見られなかった。
 以上の結果、激しいスポーツ活動が血液中のミネラル量に与える影響は男女で異なることがわかった。しかし、Moについては男女ともに選手群で著明に減少しており、激運動によってMo量が減少することが明らかとなった。PDF:運動とミネラル
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