生命の科学から健康の科学へ

 生体色素ポルフィリン(紫質)とヘム(血基質)は地球上の生物が生存するために必須な光合成反応や酸素の運搬などに関与する生命の根源物質です。しかし、その代謝異常症は、ある日突然に体内にポルフィリンの代謝産物が過剰蓄積し、その結果、太陽と活性酸素によって全身の機能が障害され、生命が奪われる。これまでに、筆者はこの病気の遺伝子異常および発症機序の解明、確定診断法の確立、治療法の開発などといった「生命の科学」に関する一連の研究を行ってきました。その一方で、健常者にこの代謝産物の一つを投与すると、造血促進、免疫力増強、抗酸化機能促進、運動機能促進などといった健康の回復・保持・増進が期待できることを見出しました。
 生命科学の研究は表裏一体であり、良い方向に研究が行われれば、人類、ひいては万物に貢献できますが、悪い方向に進めば、万物の破壊へとつながる危険性を含んでいます。

 本内容は、平成17年4月長生学園50周年記念に刊行された「長生学園史」掲載原稿を少し修正して記載しました。さらに読みたい方は下記のpdfからご覧ください。(近藤雅雄) 生命の科学から健康の科学へpdf  
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