人間科学基礎原論

 人間科学という学問は、フランスにおいて古くから追求されてきた「シアン・ジュメンヌ」(Sciences Humaines: 人間についての科学)の流れを汲み、1960~1980年代にかけて欧米の多くの大学にて「Human Sciences」の学問領域が新設された。日本では1972年に大阪大学において初めて人間科学部が設置され、1987年には早稲田大学に新設された。その後、人間科学という言葉が原義とは関係なく、私立大学を中心として、教育、社会、心理(臨床心理、健康心理、社会心理など)、文化、情報、国際、環境、福祉、生活、スポーツ、健康、子ども(児童、発達)、コミュニケーション、栄養、医療などに関するキーワードが人間科学に関する学科・専攻名として広く有用されている。今後も「人間とは何か」という問題を科学的に究明する領域というよりもむしろ資格等、時代に応じた名称の変更が行われていくものと思われる。
 人間科学は健康で平和な社会システムの構築と同時に各個人が「生命のしくみ」について理解し、生命の尊さと感謝の気持ちを持ち、ヒトとして正しい判断力を身につけ、平和で、健康で質の高い生活(QOL:Quality of Life)を維持し、健康寿命の延伸を図るための学問である。
 本稿では、人間科学の基礎原論である「生命のしくみ」と「健康」について概説する。(近藤雅雄:平成27年9月9日掲載) 以下のpdfを参照 人間科学基礎原論
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