アスタキサンチン

 βーカロチンなどと同じカロチノイドの一種で、βカロテンの環状構造物が酸化されてヒドロキシル基とケトンを持った化合物。キサントフィルの一種で、サケ、エビ、カニ、イクラ、オキアミ、サクラエビ、キンメダイや海藻などの魚介類に多く含まれる赤い色素である。カロチノイドの仲間の中では抗酸化力に極めて優れ、ビタミンEの約1000倍といわれる。同じカロチノイドの仲間で緑黄色野菜にはルテイン、リコペン、βカロテンが多い。これら抗酸化力の直接試験についての知見は乏しいが、アスタキサンチンはビタミンEの約1000倍の抗酸化力(サントリー基礎研究所)が示され、自然界で最強の抗酸化物質との指摘がある。
 主な効能は脂質の酸化防止、LDLコレステロールの低下、動脈硬化の予防・改善、糖尿病性白内障の進行抑制、ストレスなどによる皮膚の免疫機能低下の抑制、紫外線による皮膚の酸化障害防止、炎症の抑制、ビタミンAの生産、日周リズム(概日リズム)の調節などといわれている。最近、脳血管性認知症やアルツハイマー病の予防、糖尿病の合併症予防、白内障の予防、加齢性黄斑変性症の予防などにも効果が期待できると注目されている。(近藤雅雄)
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