「こころとからだの健康」第2版出版

 地球規模的に「こころとからだの健康」が問われています。「こころの健康」では海外における人と人との争い、国と国との争い、国内ではいじめ、児童虐待、車社会におけるいわゆる「あおり」、京都アニメーション放火事件等々、非常識な事案が続いています。
 また、「からだの健康」では生活習慣病の増加をはじめ、遺伝子編集、地球環境問題など普通でないことが平然と行われています。
 こころとからだは「心身一如」であり、このどちらかが障害されると、心と身体のバランスが崩れさまざまな障害となって現われてきます。また、2019年11~12月以降に中国武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染者および死亡者数の増加はこころとからだの両方に深刻な影響を与え、2020年3月11日に漸くWHOはパンデミック宣言を致しました。このウイルスによってすべての価値が破壊されようとしています。人類の英知によって、何としても「いのちとこころとからだの健康」は守らなければなりません。

 人間形成の基盤を成すこころの教育とは、さまざまな体験や体感を通して、生きるこころと生きる力、いのちを大切にするこころ、他者を思いやるこころ、前向きなこころといった人としての基礎を育むことが大切です。そして、人間を科学(健康、病気、福祉、コミュニケーションなど)できる人材を育てる。さらに、社会が期待する、①前に踏み出す力、②考え抜く力、③チームで働く力を持った人材を育てることが大切です。

 そのためには、自分を取り巻く環境に感謝するこころを持つことは勿論、人間社会において基本的である相手の立場になって(他のすべての生物に対しても共通しています。)、行動することであり、自分自身のQOL(生活の質・人生の質)をいかに高めるかを考えることが大切です。

 ヒトを取り巻くさまざまな環境要因と共存していることを常に念頭に入れた、地域・国家・地球・宇宙を考慮した包括的・学際的な正しい総合的・人文・社会科学的知識が必要であると同時に、このような社会の変遷に対して、常に謙虚に歴史・現状および将来を見据え、現状において最も重要な問題を正しく捕らえた科学的、精神的教育を行うことが必要です。そのための基本的教養を家庭・学校・地域・社会で学ぶことが大切です。
 基本的教養を身につけることは、生きる術として大切な善悪の判断、感謝し奉仕するといった素直なこころ、さらに、前向きに生活技術の工夫を行う知恵と未来を夢見るこころを持つことです。

 この地球上に生まれてきた人間は、この地球を支配する管理者として、この美しい地球を次代に引き継ぐ責任があります。それは人としての義務です。地球環境の保全、持続的な平和を堅持していくために、「こころとからだの健康」が最も大切であることを認識し・未来図を描いて行ってほしいと願います。

 本書では、「こころとからだの健康」と題して、人間教育の四原則である徳育、知育、体育、食育および環境問題などについて、教育・研究・運営の経験をもとに執筆しました。(近藤雅雄著 2020年3月3日発行、総ページ数140p,A4)


目 次
はじめに
1.人間として生きる力を育てる
2.遊びから学ぶ幼児教育、子育て習慣および期待される人材
3.社会の変貌と大学における教育のあり方
4.人を育てる~大学のリーダーに求められる37の習慣
5.研究成果は人類の宝、特に保健・医療・福祉に関わる研究の成果はすべて公開する義務がある
6.健常人と難病患者
7.「ポルフィリン症」難病指定への道
8.研究に懸ける思い~指定難病「ポルフィリン症」診断法の開発、患者発見に対する熱い思い
(1)ポルフィリン症専門外来開設への熱き思い
(2)研究には投資が必要~研究すればするほど自己負担が増加
9.正しい栄養素の摂取と言葉
10.健全な食生活をめざして~現代日本人の食生活を考える
11.食文化の変遷と食育~日本型食生活による健康寿命の延伸
12.食生活と栄養と食育
13.栄養学と医師
14.「こころとからだの健康」12の習慣
15.男と女の寿命の差
16.右脳と左脳を知る
17.摂食障害
18.肥満対策
19.ストレスと心身の障害
20.治癒と治療
21.生体防御機構と免疫システム
22.中高年齢者の免疫強化によるアンチエイジング
23.5-アミノレブリン酸の多様な生物機能
24.ホメオスタシスと生体リズム
25.目の病気の予防・対策に必要な栄養素と食品
26.脳を元気にする食と栄養素
27.血液型と病気
28.人間と地球環境
29.皮膚とこころ
30.幸せホルモン「オキシトシン」作用の多様性
おわりに「君に贈る言葉」
付録 リヴ物語
   国立公衆衛生院
   ロックフェラー大学
   日本の未来年表と医療
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