ニンニク

 生産量は中国が世界の8割を占めている。球根中のフラボノイドに認知症の予防があると言われるが、科学的根拠に乏しい。
 期待できる効果としては、ノルアドレナリン分泌を促進し、エネルギー代謝を活発にする。血栓形成抑制、血圧上昇抑制、コレステロールの低下、抗菌作用、抗ウイルス作用など多様な作用が報告されている。ニンニク成分の匂いのもととなるアリシンがビタミンB1(チアミン)と結合すると脂溶性のアリチアミンとなり、ビタミンB1の吸収・利用を促進し、元気にする強壮作用がある。無臭のスコルジニンには強力な酸化還元作用があり、体組織を若返らせ、新陳代謝を盛んにし、疲労回復に役立ち、強壮・強精作用を有する。また、にんにくは脳の萎縮を抑え、学習能力を高めることが動物実験で確かめられている。
 臨床的にはいくつかのがん、特に消化器系のがん(結腸がん、直腸がんなど)のリスクを減少させる可能性が示唆されている。アリシンには抗菌作用があり、O157菌等の腸管出血性大腸菌に対する殺菌力から、消化器系の感染予防に効果があることを示唆している。
 副作用としては、①強い悪臭(口臭・体臭)の原因となる。②生のニンニクの強烈な香りと辛味は、刺激が強過ぎて胃壁などを痛める場合がある。③過剰摂取は胃腸障害を起こしうる。④調理などでニンニクアレルギーとなる場合がある。⑤赤血球の溶血を促し、血尿、血便といった溶血性貧血の原因となる場合がある。
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