主なハーブ類とその効能

1.各地独特のハーブ

 ヨーロッパや地中海地方のハーブは有名だが、日本のミョウガ・山椒・ワサビなどの薬味や、ヨモギ・シソなどの野草、また生薬として使われてきた薄荷(ハッカ)・生姜・芍薬(シャクヤク)なども日本独自のハーブといえる。同じように、中国では漢方薬、インドではスパイスなど、世界各地でそれぞれの独特なハーブがある。

2.ハーブの効用

 ハーブには、殺菌・抗菌作用のあるものや、血液をきれいにする作用のあるものが多いため、飲んだり食べたりすることで体内をきれいにするといわれている。ハーブを体内に通過させる方法としてはハーブティーが昔から愛飲されている。また、ハーブには身体に良い成分(ミネラル、ビタミン、鉄分、カリウム、カルシウム、マグネシウム、プロテイン、繊維質、タンパク質など)を含んだものが多いため、最近ではダイエットを目的としてハーブティーを飲む人も増加している。
 ハーブティーにするハーブとしてはローズ・ミント類・カモミール・レモングラス・ハイビスカスなど、料理に良く使うハーブとしてはローズマリー・タイム・バジルなどである。ただし、シャクナゲ、トリカブト、チョウセンアサガオ、スズランなどには毒があり、すべてのハーブが食用になるとは限らないので注意が必要である。以下に主なハーブの推測効能を示した。

主なハーブの推測効能

カモミール:抗炎剤であるアズレンが含まれており、のどの痛み、口内炎、腹痛に効果がある。他に、発汗・保湿、鎮静、浄血、消化促進、駆風(腹の中にたまったガスの排出)の作用
キャラウェイシード:消化促進作用
サザンウッド:殺菌作用、抜け毛予防、毛髪の成長促進
セイジ:消化促進作用、殺菌効果
セントジョーンズワート:精神安定作用
チコリ:血液浄化作用
タイム:殺菌作用、消化器系、気管支系の薬草として知られる
チャイブ :防腐、殺菌作用
パセリ:ビタミンAやCを多く含み、消化促進、利尿作用のほか、血行促進作用
バジル:殺菌効果
ヒソップ :かぜの諸症状やのどの不快感をやわらげる働き
フェンネル:種に消化促進作用
ペパーミント:殺菌作用、花粉症、アレルギー性鼻炎に
ポットマリーゴールド:保湿効果
ボリジ:無機塩類やカリウムなどが含まれおり、体調を整える
マロウ:のどや気管支の炎症を抑える
ラベンダー:殺菌作用
レモンバウム(メリッサ):気分を高め、頭をすっきりさせる.不安や憂鬱を和らげる.他に、健胃、強壮作用

3.香りの効用

人間が元来持っている自然治癒力の活性化に香りが効果的である。香りが健康に効果的であると着目されてからハーブは芳香療法、すなわち、アロマテラピーとして注目を集めている。心地良いと思われる香りが私たちの心に働き、やる気を起こす、リラックスする、不安を取り去る、集中力を高める、ストレス解消などの効果が知られている。また自律神経失調症にも有効であるという。

4.代表的なハーブ

西洋の代表的ハーブ
カモミール:日本ではカミツレと呼ばれている。他にカモマイル、カミルレなどと呼ばれる。語源は「地面のリンゴ」で、花はリンゴやパイナップルに似た甘い香りがする。
オレガノ:イタリア料理にはなくてはならないハーブで、乾燥させたものの方が風味は強く、ミートソースやピザに使われる。
タイム:シソ科で、ローレル(月桂樹)やパセリと相性が良く、ほとんどの洋風料理に合う。ブーケガルニ(煮込み料理に使う香草の束)には欠かせない。ハーブビネガーやハーブオイルにも適している。
ローズ:薬効や芳香がある「オールドローズ」と呼ばれるバラの原種。ダマスクローズ、ドッグローズ、八重に咲く香りの強いバラを指す(ダマスクス系、ガリカ系など)。農薬を使用せずに栽培されたものなら、花弁をハーブティーやジャム、シャーベットなどに使える。
バジル:強い芳香と殺菌効果を持つシソ科のハーブで、シナモンの香りのシナモンバジルや、レモンの香りのレモンバジル、赤紫色のダークオパールや、矯性種のブッシュバジルなどがある。
 インドでは「聖なる灌木」とされ、神々に捧げられる一方、古代ギリシャ人にとっては不吉な意味を持つ植物で、バジルの種をまくときには罵りながらまかないとうまく育たないという俗信があった。また、中国ではバジルの種子を光明子と呼び、眼病の治療に用いた。日本でもかすみ目や目にゴミが入ったときに種子を目に入れてゴミを取り除いたため、メボウキ(目箒)という和名がついている。
コリアンダー:セリ科の独特なエスニックな香りがするハーブ。世界で最もたくさんの人が使っているといわれている。中国や東南アジア系料理には「香菜(シャンツァイ)」と呼ばれるコリアンダーの葉が欠かせない。種子はピクルスやカレーなどに使われる。
薄荷(ハッカ):日本特産のシソ科の植物で、各地の湿った原野に自生している。特有の香りがあり、口に含むと清涼感がある。
梅:早春の花の代表として梅があげられます。梅は中国原産で唐の時代に渡来したと言われている。万葉集にも数多くの歌が詠まれている。
どくだみ:別名をジュウヤクといい、10種類の薬効があるという意味。昔から煎じて薬として用いられてきた。
柚子:夏から初秋にかけての「青ゆず」と、秋から冬の「黄ゆず」、どちらも日本人には馴染み深い。冬至の日にゆず湯に入るが、疲労回復や神経痛に効果がある。

a)その他の西洋のハーブ
 キャラウェイ、スウィートマジョラム、セイジ(和名=薬用サルビア)、センテッドゼラニウム、タラゴン、チャイブ、ディル、ナスタチウム、パセリ、ヒソップ、フェンネル、ポットマリーゴールド(和名=キンセンカ)、ボリジ、マロウ(和名=ウスベニアオイ)、レモングラス、レモンバウム(メリッサ)、ロケット、ナツメグ、クローブ、キャットニップ、アーティチョーク、セントジョーンズワート、チコリ、チャイブス、スティンギングネトル、タンポポの根など多数が知られている。

b)その他の日本のハーブ
 シソ、ワサビ、ニラ、フキノトウ、ミツバ、セリ、からしな、にんにく、月見草、ジンジャー、トウガラシなど多数が知られている。

麦類若葉食品

 からだに不足しがちな緑黄色野菜の補給として、麦類若葉食品は飲みやすい手軽な青汁として好評である。大麦、小麦、ライ麦の幼穂形成期前の若葉を摘み取って絞り、これをろ過したエキス製品である。
 麦類の若葉は、緑黄色野菜以上に栄養素が豊富でたんぱく質、ビタミンB1、C,E,カリウム、カルシウム、マグネシウムが多く,葉緑素、各種抗酸化酵素を含む。とくに抗酸化作用のあるフラボノイドやスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を含んでいることから動脈硬化、がん、高血圧、肝疾患、貧血、骨粗鬆症などの予防と改善、疲労回復、精神安定などの多彩な機能を持つといわれている。

ギムネマシルベスタ食品

 インド、東南アジア、熱帯アフリカ、オーストラリアなどに自生するつる性植物で、インドでは2500年前から生薬として健胃、強壮、糖尿病治療などに用いられてきた伝承医学であり、最近ではダイエット効果でも注目されている。
 ギムネマとは「砂糖を壊すもの」というヒンディー語で、ギムネマ・シルベスタの葉をかむと1~2分で甘味だけを感じなくなる。この作用はよくわかっていないが、舌の味細胞の甘味受容体の興奮抑制作用と推測されている。また、葉に含まれているギムネマ酸は小腸からの糖吸収抑制作用、虫歯を防ぐ抗う蝕作用、血糖値と血中インスリン値の上昇抑制が認められ、糖尿病の改善に効果があるといわれている。しかし、ギムネマのヒトにおける安全性や有効性は不明確である。

まこも食品

 河川や湖沼などの水辺に群生するイネ科の多年草植物で、クロロフィルと食物繊維の含有量が多く、その他、ビタミンB1、B2、鉄分、カルシウムなどを含む。
 主な効能としては免疫力の増強、糖代謝促進、血圧調節、性ホルモンの活性、胃腸運動促進などが知られ、胃腸疾患や高血圧、糖尿病などの予防および改善作用があるといわれている。

オタネニンジン根食品

 高麗人参や朝鮮人参として知られているオタネニンジン(ジンセン)はウコギ科の多年草本である。中国最古の薬草書「神農本草経」に記載されており、滋養強壮をもたらす万能薬として有用され、日本では生薬として有名である。
 成分はビタミンやミネラルを豊富に含むが、薬効成分は根茎のジンセノサイドというサポニン配糖体にある。効果としては血液循環の改善、冷え性の解消、免疫機能の強化などが知られているが、その作用機序についてはあまりわかっていない。

プルーンエキス食品

 プルーンは西洋スモモともいわれ、西アジア・コーカサス地方原産のバラ科サクラ属落葉樹の実である。ビタミンAとB1が多く、カリウム,鉄、リン、カルシウムおよびマグネシウムなどのミネラル類を豊富に含む。これら栄養素の生理作用のみならず、プルーンには水溶性の食物繊維であるペクチンが多く、ヨーロッパでは古くから便秘薬代わりに摂取され、整腸・緩下作用が知られている。

梅エキス食品

 酸味とうま味に効果がある日本特有の伝統食品である。梅エキスは青い梅のみを絞り、長時間煮詰めたペースト状もので、1kgの梅から約20gしか取れない。
 梅エキスの成分として、クエン酸、リンゴ酸、ピクリン酸、カテキン酸などの有機酸が豊富に含まれている。 クエン酸は梅特有のすっぱさの原因であり、生体内のエネルギー物質アデノシン三リン酸(ATP)生産に関与することから、疲労回復や新陳代謝を促進する。カテキン酸は胃腸の働きを活発化し、便秘や下痢などを改善する効果がある。ピクリン酸には肝機能を高める効果があるといわれている。これ以外に、冷え性、肩こり、二日酔い、風邪など幅広く効果があるといわれている。
アデノシン三リン酸(ATP)
 ATPは筋肉の収縮、体温生産、たんぱく質の合成、分泌、吸収、細胞の興奮、神経刺激伝達、物質の能動的取り込みなど生体内のエネルギー物質として、生命維持に最も重要な物質である。

日本の食文化の変遷と食育~日本型食生活による健康寿命の延伸

はじめに
 連綿と引き継がれてきた日本の伝統的な食文化が戦後の約70年間で劇的に欧米化、依存化されるようになった。この結果は中高年齢者の免疫能の低下、がん、生活習慣病の発症および次世代をになう子どもたちの学習・記憶・体力の低下、対人技術の発達障害や摂食障害などといった心身への影響だけでなく、食糧自給率の低下、食品に関する偽装問題、薬物混入などといった食の安全・安心の問題まで発展し、国民として、日本国家として新たな様々な問題が出現してきているのが現状である。
 ここでは、科学的根拠を基に日本人としての食生活および食育のあり方について考える。

1.食文化の変遷と食育の必要性
 現在の日本の食生活は、経済成長と共にこれまでの日本型から欧米など世界中の料理、ファーストフードやいわゆる健康食品というものを自由に取捨選択し、食べたいときに好きなものが食べられる豊かな自由型(洋風型)へと変わった。その反面、核家族化の定着と共に食糧自給率の低下、「こ食」(孤食、小食、固食、粉食、個食、濃食、戸食など)が習慣化し、さまざまな問題を生じさせている。これは、とくに次代をになう子どもたちの学習・記憶・体力の低下、免疫能の低下、対人技術の発達障害などと言った心身の問題を含み、また、将来、これまでに日本文化を通して獲得されてきた日本人体質に変化が生じ、生活習慣病や摂食障害などを誘発し、さらに、これが遺伝的体質として次世代へも引継がれかねない。
 現代人は、好きなものを好きなときに、あるいは今あるものを寄せて食べ、食あるいは栄養に関する科学的な知識は殆ど持ち合わせていないのが現状である。そこで、これら諸問題の改善の方向性を探ると、最も根本的で緊急を要する課題が乳幼児期からの「食」のあり方である。食を通してからだと心の成長・健康が図られ、貧しい食事であっても団欒のある楽しい食生活や四季の旬のおいしい物を食べた時の自然と笑みがこぼれる幸福感・心のゆとりが得られ、そこからさまざまな知恵が伝承される。すなわち、「食育」は「職育」であり、各々のlife stageにおいて知力、体力、抵抗力、作業能率、正しい判断力、感性を育むための生涯に亘っての重要な営みであり、「いまこそ食育」が必要である。
 一方、政府は国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育む事ができるよう、食育を総合的かつ計画的に推進することを目的として、平成17年7月15日に食育基本法を施行し、国民運動として、家庭における食育、学校における食育、地域における食生活の改善のための取組および食育推進運動を展開している。

2.日本型食生活の解析と健康寿命の延伸
 日本人の免疫能はこの数十年間で低下してきている。免疫の中心である胸腺は酸化ストレスや加齢によって萎縮し、免疫能が低下する。これが、近年の生活習慣病、がんや自己免疫性疾患、感染症などといった様々な疾病を発症する原因の一つとして広く指摘されている。その主たるものの原因が前述した戦後の食生活の劇的な変化が挙げられる。すなわち、私たちの住む地球には時間的リズムがあるように、生体にも同じ時間的な体内リズムがある。一日のリズム(概日リズム)には睡眠のリズム、自律神経のリズム、免疫のリズム、内分泌のリズム、摂食(食生活)のリズムなどがあり、日本人が長い歴史を通して獲得してきたさまざまな体内リズムの中心となっているのが「食」であり、生体の機能維持にとって最も重要な働きとなっている。近年、この「食」を中心とした生活習慣(リズム)の変化が生体のリズムを変化させ、肥満をはじめとした各種生活習慣病が起こることが分かってきた。したがって、これらの疾病は「食源病」といっても過言ではない。
 そこで、われわれは、国民栄養調査結果から日本人食生活の実態を解析した結果、免疫能に重要な影響を及ぼすタンパクの摂取量は男・女共に、成人後大きな変化が認められなかったが、タンパク質をどの様な食品から摂取しているかを年齢別にみると、40歳代以降から肉類と魚類の摂取量が逆転するという特徴的な食事摂取パターンを見出した。また、このパターンの変化が起こることで、高齢者のタンパク質摂取が保持できていることがアメリカ人の食生活パターンと比べることによって明らかになった。これは日本人がアメリカ人よりも高い平均寿命を有していることの一つの原因と思われる。
 しかし、免疫能および抗酸化能に影響を及ぼす微量元素量は加齢に伴って血中濃度が減少する傾向を見出し、これら元素の変動が不定愁訴などの各種自覚症状や血圧などの循環機能と関係していることがわかった。したがって、高齢者では抗酸化・免疫能を高める微量元素やビタミン、フラボノイドなどを多く含む豆類、野菜、果物、魚介類などを積極的に摂取することによって、ますます健康寿命の延伸が可能であると思われる。
 一方、現代の子どもが将来高齢者となった場合に、現在の高齢者と同じような食事の摂取パターンを取るかについては疑問である。すなわち、味覚や嗜好は乳幼児期に形成されるためである。そこで、とくに、安全な食物を選別できる能力、食物の大切さを知る能力等を小児期に育てることが重要である。

3.免疫能を高める食材の選別
 酸化ストレスからの防御を目的として、食品中に含まれるミネラルやビタミン、フラボノイド等の抗酸化成分を胸腺(免疫)細胞に投与し、活性酸素の消去能について検討したところ、細胞の内外での抗酸化能力が異なっていることを見出した。このことは、抗酸化成分の効果的な摂取法として、細胞内外にて作用を発揮する成分を摂取することの方が、細胞を酸化ストレスから防御するにはより有効であることを示す。事実、細胞内外にて抗酸化能を発揮するフラボノイド(ルテオリン)を多く含む野菜(ピーマン)を高齢者に摂取させると、摂取前と比較して抗酸化能及び免疫能は有意に上昇することが分かった。
 以上の結果から、日本人の高齢者はタンパク質においては十分に摂取できていることから、これらの食生活に加えて、銅、亜鉛、セレン等の抗酸化酵素関連微量元素や細胞の内外にて抗酸化能力を発現しうる抗酸化成分を多く含む食品群(主に豆類、野菜、果物、魚介類)を十分に摂取することによって抗酸化能力を高め、免疫能を保持し、QOLを高める。このことは若年者においてもまったく同じことが言え、免疫能の健全化のためにも「健全な日本型食生活」が重要であることを示唆している。

おわりに
 この60年間で日本社会のあり様が著しく変貌し、今後もさらに急速に変化していくものと思われる。このような時世において、健康な生命を維持する上で最も重要なものが「食のあり方」である、正しい「食生活」を維持・継続することによって生体のリズムが構築され、知識や技術の向上が図られる。さらに、健全なからだや精神(感謝)という個人レベルの健康だけでなく、健全な社会が構築され、延いては国家が元気となる。また、「食」に対する知識を得ることによってからだと心を大切にし、生きる術として大切な善悪の判断、感謝し奉仕するといった素直な心を持つ。さらに、前向きに生活の工夫を行う知恵などを持ち、将来を夢見る心を持つようになる。そしてこれらの習得が「自由」な心で「正当性」、「責任」を持って、「平和 (社会)」に貢献できる体力と心を持つようになる。これが、次の世代に引継がれる。
 「食」は国家の基盤、文化や教育の根幹である。これらの根本である「食育基本法」が誕生してからすでに10年を経たが、未だに家庭、地域、学校、行政、企業、等々の連携による社会全体での活力ある国民総運動が期待されている。
(近藤雅雄、日本の食文化と食育~日本型食生活と健康寿命の延伸、平成27年7月21日掲載)

研究成果は人類の宝、特に保健・医療・福祉に関する研究の成果はすべて公表する義務がある

1.研究成果を論文・特許などとして公開する意義
 大学の教員並びに教育・研究に携わる者は日々研究課題の探求と共にそれを実施し、その成果を公開するとともに論文・特許として公表することは当然の義務ですが、一般人でも研究の成果は大いに論文・記事・特許などとして公表したいものです。
 とくに、保健・医療・福祉に携わる者(医師、歯科医師、看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、救急救命士、管理栄養士、薬剤師、言語療法士、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師、福祉士、介護士等)の場合は、患者へのケアー・施術・治療を通して、その効果が高まっても(ポジティブ・データ)、あるいは効果が出なくても(ネガティブ・データ)、その原因、そして、そのメカニズムを追究し、より優れた治療法等の改善を図るべく常に検討を怠らず、この記録をきちんと論文としてまとめ、公表する義務があると思います。これが人の命を預かる保健・医療・福祉等に携わる者の基本的使命と思います。
 公表・公開(学会発表)することによって、他の保健・医療・福祉等に携わる者及び患者等の意見に真摯に耳を傾け(傾聴)、さらなる改善・療法の開発を行うことが望ましいことは言うまでもありません。こうして治療・療法等の研究を真摯に検討することによって、やがてその療法が誰もが認める療法として、医学的根拠をもって確立し、伝承されていきます。患者等にとっても前向きで、真摯に対応する保健・医療・福祉等の関係者に対して敬意を表し、自然治癒力が向上します。
 食事療法、運動療法、東洋医学・療法等については、そのエビデンス(EBM)が医学者・国民に広く認知・浸透しているとは言えないのが現状です。その最大の理由は、そのエビデンスとしての公表に乏しいことにあります。公表せず、単なる現象で甘んじていれば、それはいずれ消滅していきます。またその技術や知恵も伝承されることなく、消滅していきます。これを打破するためにも学術論文として医学分野にて広く認知されている学術雑誌へ投稿し、治療のエビデンスを積み重ねることが大切です。そうすれば健常者の健康増進及び患者の治癒力の向上に貢献するだけでなく、その成果が新しい健康法及び治療法の新規開発・発展にもつながります。すなわち、研究の成果は国民・人類の宝であり、すべて論文などとして公表してほしいものです。

2.論文とは
 論文とはオリジナリテーに富むもので、まさにその著者でなければ考えられなかったことを読者にわかりやすく伝えるためのものであり、読者にとって有用ものでなければなりません。研究成果について自分の考えを事実に沿って簡潔に述べ、これまでに提出されていないもの、あるいはこれまでの研究とは対立・批判し、それにまさっている点を評価しているものなどが該当します。論文作成の心構えとして、人の論文をそのまま利用(copy & paste)したり、データ(結果)の捏造をしてはいけません。また、論文執筆に際して他著作物等から引用・転載する場合は、必ず著作権保護のため、原著者及び出版社の許諾を受け、原稿に出典を明示しなければなりません。掲載された論文、記事等の著作権は通常掲載された学術雑誌(出版社)に帰属します。

3.論文分類
  ①原著(オリジナリティーがある内容のもの)、②研究(追試、改良などに関するもの)、 ③症例(病気の治療に有用な情報を与える稀な症例)などがあり、雑誌や書物によって、投稿規定と執筆要項が定められています。
4.論文の構成
 一般的な論文の構成は①序(あるいは「はじめに」、「緒言」)、②方法(あるいは「対象及び方法」、「材料」)、③結果(あるいは「成績」)、④考察、⑤結語(あるいは「まとめ」)(必要があれば謝辞)、⑥文献(最低でも5 編)の順からなります。(近藤雅雄:2015年7月15日掲載)

研究には投資が必要~研究は遂行すればするほど自己負担が増加

 ここでいう投資とは、教育・研究者として仕事を営んでいる者が研究活動をする場合には必ず資金が必要であり、その研究資金が研究者としての経常研究費や競争的研究資金以外に、私費、すなわち生活費を投入することを指します。これを、私費研究費(自己負担研究費)と私は読んでいますが、大学や研究機関の研究者は研究をすればするほど自腹を切らないと研究が進まないことが多く存在します。
 教育・研究者として、研究を遂行すればするほど研究課題が新たに発生し、それを遂行するのに私費研究費を投入せざるを得ない状況が生じる場合が頻繁にあります。これが投資ですが、その投資が結果として身になる場合とならない場合があります。しかし、身にならなくても再び挑戦していくことが成就する上でとても大切です。

 研究に必要な経費が経常研究費および文部科学省や厚生労働省等の助成研究費(科学研究費)では支出することができない費用がたくさんあります。例えば、かつては①学会関係の費用(学会加盟費、参加費、旅費)、②国際学会の参加費、旅費、宿泊費等、③論文投稿費用および別冊費用、④図書(学術雑誌)購入費用、⑤各種郵便費用、⑥コンピュ-タ-などの文具費用、⑦患者の試料採取、試料運搬費用、その旅費、⑧人件費(実験補助や秘書などのアルバイト)等の費用はすべて公的研究費での支出は認められませんでした。
 研究をすればその成果を学会で発表します。発表するためには学会の会員となり、全国または国外での学術大会に出席するために旅費がかかります。また、その成果を論文として投稿すれば投稿費、掲載料、さらに論文別冊代がかかります。これらのすべては私費にて支出せざるを得ません。このように、教育・研究者でないものが研究を行うことは実に大変なことで、研究に対する何らかの支援がないと不可能と言えます。
 研究公務員、大学の教員としての最低限の研究費は経常経費にて認められますが、研究を行えば行うほど、その研究成果を公表する義務が発生します。そうすれば①~⑧に挙げた費用はおのずからついて回ることになります。つまり、研究をすればするほど生活が苦しくなり、逆に研究をしなければしないで、生活に変化は見られませんが、研究者または教員としての評価は下がります。このようなおかしな現象が研究者を取り巻く環境として問題となっておりました。

 1980年代頃から日本の研究者の評価は、事務サイドでは研究内容に対する評価が困難なため、研究論文の数によって評価するといったことが打ち出されました。これによって、論文を重視した先端科学研究を志向する結果、残念ながら研究成果をなかなか出すことができないような基礎的学問分野の研究者がだんだん減少しつつあります。
 文部省科学研究費では平成9年(1997年)度より初めて海外発表(国際会議)旅費等が認められましたが、研究費の使用についてはいまだにかなり使用に制限があることは確かです。また、使用に対しては書類などが多く、非常にめんどうなのが現状です。大規模な研究や共同研究者が多い研究などは比較的楽ですが、個人や少人数で行っている研究にはかなり研究者の負担がかかります。

 私の場合、年間約120万円の個人投資をいまだに行っていますが、研究への投資には家族の協力、強い意志が不可欠です。しかし、その投資によってポルフィリン症の診断法の確立や日本の医療・科学の発展に少しでも貢献したのではないかとの自負もあり、研究期間中は貧しいながらも充実した生活を営んできました。このように、研究することは誇りと志が必要で、その結果は、人生において大きな成長を担保すると同時に何事にも代えられない多くのものを得ることはできます。これからの次代を担う若い研究者がたくさん育ち、研究者の誇りと志を持って活躍されることを期待します。
(近藤雅雄:2015年7月15日掲載)

健康食品の話題

1.薬と食品の相互作用およびサプリメントの副作用

 医薬品の多さと同じように食品も多種多様なものが氾濫している今日、薬同士の相互作用、薬と食品との相互作用、および食品同士の相互作用のチェックも重要な課題となってきた。例えば、次のようなことが広く知られている。
①民間薬の強壮剤として使用されてきた高麗人参は心臓に作用して血圧を上昇させるので、血圧が高く降圧剤を服用している人は避けた方がよい。
②抗凝血療法(血栓防止)にワルファリン(脳血栓を起しやすい人や心臓の手術をした人が主に服用する薬)を使用している人が納豆およびクロレラ食品を摂取するとワルファリンの効果が減弱する。これは、ワルファリンがビタミンKの作用に拮抗するため肝臓でビタミンKによってプロトロンビンなどの血液の凝固因子の生産が促進し血栓形成を促進するためである。このほか、ほうれん草、ブロッコリー、ワカメをはじめとする海藻類などには比較的ビタミンKが多いので大量の摂取は避けた方がよい。
 このほかにも薬品と食品成分との相互関係を示すものは多数知られているので、薬を服用している人はサプリメントを利用する場合には必ず医師に相談することが望ましい。
 一般に、サプリメントを利用する場合は、自分の健康状態をチェックし、健康診断で異常があるか無いかを調べ、はっきりとした異常があれば病院でそれに対する治療を行い、異常が無い場合は日常の食生活や運動などの生活習慣を見直し、食生活の中でなかなかとれない栄養素(サプリメントとして)を摂るように心がけるのが望ましい。しかし、サプリメント自体にも過剰摂取や粗悪品を飲用して副作用が生じた報告もかなり多い。

2.米国のサプリメント

 サプリメント(栄養補助食品)の法制度化を最初に手がけたのは米国であり、従来、米国では食品、医薬品、化粧品を取り扱う基本的な法律は「連邦食品、医薬品、化粧品法(USFDCA)であったが、米国議会はこの法律の一部を改正してサプリメントを食品の1カテゴリーとして扱う「栄養補助食品健康教育法(Dietary Supplement Health and Education Act; DSHEA)単にサプリメント法とも呼ばれる)」が1994年10月クリントン大統領時代に成立してからアメリカ人の日常生活に浸透し、需要と供給が増加している。
 この制度によってサプリメントを「食事を補充する目的で製造されたもの」と定義付け、サプリメントの構造、機能表示を認めた。この法律によって、ビタミンやミネラル、ハーブ、植物性栄養物、代謝産物、代謝に必要な成分、組成物、抽出物、濃縮物およびそれらの混合物などまでがサプリメントに組み入れられた。したがって、これまでに医薬品扱いであった副腎皮質ホルモンであるデヒドロエピアンドロステロン、松果体ホルモンであるメラトニン、ハーブ類などもサプリメントとして扱われるようになった。これらサプリメントの販売は医薬品扱いをしない、あくまでも食品であるとしている。
 これらDSHEAは有効性と安全性に関する科学的な指針や、第三者による実証試験の機能評価が無くても表示できるが、替わりにボトルのラベルにはこの効能を米国食品医薬品局(FDA)は認知していないという表示がされる。そこで、ここ数年、米国ではサプリメントの服用者から死亡事例が出たことから(因果関係が不明な例がある)、2003年9月から暫定的ながら条件付ヘルスクレーム表示制度を導入し、信頼度をA~Dの4つのランクに分け、科学的な根拠の強さによって判断できるようにし、このランクの違いの意味を説明するための文章を表示に加えることが条件とされている。
表 ヘルスクレーム(健康への効果効能表示)の信頼度
A High 良好な機能がある
B Moderate 良好な根拠があるが、限定的で結論できない
C Low 示唆的な根拠はあるが、限定的で結論付けられない
D Extremely Low 限られた初歩的な根拠しかなく、協調表示を支持する科学的根拠は殆ど無い
 ここで、商品のイメージからも表のDに示した表示を付けるサプリメントはなく、これまでのDSHEA法に基づいて販売されている多くの商品はDより下に位置づけられる。また、これらの表示が信頼できるという判断基準が明確にされていない。交通やインターネットが便利になった今日、各国で販売している機能性食品を手軽に入手する機会が多くなっていることから、サピリメントに対する有効性や安全性などに関する国際的な総合的議論が期待される。

3.サプリメントを購入するときの注意点

 サプリメントを購入する際には以下の点について気を付けたい。
①ラベルに原材料、内容成分がわかりやすく表示されていること。
②中蓋シールでしっかり密閉され、開封した後が無いこと。
③アレルギーの人はアレルギーに該当する成分をチェックすること。。
④自分の体質に合ったものを選択する。
⑤信頼できるメーカーの製品を選ぶ。例えば、メーカーに直接問合せた時に、きちんと対応してくれるかどうか。
⑥出来ればインターネットなどで、サプリメントの副作用事例などについてチェックする。
(近藤雅雄:健康食品の話題、2015年7月10日掲載)

レシチン

 ギリシャ語の卵黄に由来し、ホスファチジルコリンとも呼ばれるリン酸と脂質が結合した物質で、細胞膜などの生体膜や脳・神経組織の構成に欠かせないリン脂質の一つである。乳化作用(界面活性作用)があり、マヨネーズなどの乳化剤として有名であるが、コレステロールが血管壁に沈着するのを防ぎ、血栓を溶かして血液の流れを良くする。また肝臓への脂肪の蓄積を防ぎ、ビタミンAやEなどの脂溶性ビタミンの吸収を高める。したがって、脂肪肝、肝硬変、動脈硬化の予防効果がある。最近では認知症防止や肥満予防に効果があるといわれている。
 レシチンには動物性と植物性があり、コレステロールを乳化するのは植物性だけといわれており、卵黄、大豆、大豆加工品、ビーナッツ、酵母などに多く含まれている。(近藤雅雄)

ルテオリン

 ルテオリンはフラボノイドという抗酸化物質の一種で、さまざまな作用を持つ。ルテオリンの代表的な作用の一つとしてあげられるのが、肝臓の解毒作用の促進である。例えば、発生した癌を、細胞外マトリックスを保護することによって、その成長を抑止する作用も報告されている。また、帝京大学薬学部の山崎博士は炎症性サイトカイン(TNF)生産抑制活性を見出し、さらに、従来フラボノイドはあまり生体内に吸収されないとされていたが、ラットを用いた研究では投与量の約4%が、皮膚からもルテオリンやその配糖体が実際に吸収されることを示した。
 最近、岐阜薬科大学の永井博士はアレルギー発症に必須のマップキナーゼの抑制作用が見出し、新しい抗アレルギー薬の候補ともなっている。
 ルテオリンの作用として最も知られているのが、花粉症やアトピーといったアレルギー症状を押さえることである。ルテオリンなどのポリフェノールは、「ロイコトリエン」という炎症を引き起こす物質を作り出す際に必要な酵素を阻害するため、花粉症の症状、とくに鼻づまり防止に効果を発揮すると言われている。したがって、効能としてはしみ、そばかすの予防、アトピー性皮膚炎の改善、アレルギー疾患改善、花粉症、抗酸化作用、免疫力増加などが知られているが、人での科学的根拠はまだ乏しい。
 ルテオリンを含む食品として、ピーマン、しそ、春菊、カモミール、味噌、イチョウ、明日葉などが知られている。(近藤雅雄)

ルチン

 ルチンはビタミンCの研究中に発見されたビタミン様物質で、ビタミンPの一種である。ジャガイモの花やそばの全草(とくにそばの外側の殻に近い部分に多く含まれる)、中国産の豆のエンジュの葉、つぼみなどに含まれ、そばの特徴的な成分である。ルチンはビタミンCとともに働くため、ビタミンCの豊富な野菜や果物と一緒に摂取するとよい。そして、高血圧や脳血管障害の予防など生活習慣病の改善に効果があるといわれる。

ポリフェノール

 大豆のイソフラボン、柿のタンニン、茶のカテキン、玉ネギのケルセチン、ブルーベリーのアントシアニン、ココアのカカオマスポリフェノールなど、分子内にフェノール水酸基をもつ化合物の総称で、その種類は5000種にものぼる。糖分の一部が変化したもので、植物の葉や花、樹皮などに含まれている。
 ポリフェノールの主なはたらきは強い抗酸化作用であり、動脈硬化、がんの予防・改善、血糖値低下、虫歯菌の増殖抑制などの作用があるといわれる。

βカロテン

 野菜、果物、海藻などに色素として含まれるカルチノイドの一つである。
 カロチノイドにはα-、β-、γ-カロテン、リコピンなどの種類があるが、いずれも体内でビタミンAに変化し、免疫力の増加、皮膚や粘膜の増強、老化防止、がん、動脈硬化、心臓病,眼病,風邪などの予防に効果があるといわれている。

フラボノイド

 2個のベンゼン環を3個の炭素原子で結びつけたジフェニルプロパノイド(C6-C3-C6)構造をもつ化合物の総称。C3部分が酸素を介して閉環したクロマン骨格(フラバンの構造式で四角で囲んだ部分)をもつ三環性のものがよく知られ、植物界に広く存在し、食品の色素、苦味、甘み成分になるほか、抗酸化性、エストロゲン作用と抗発がん性と心保護剤としての可能性が提唱されている。植物体内での合成はマロニルCoAとヒドロキシケイヒ酸CoAからはじまり、カルコンで閉環してフラボン構造が出来た後、側鎖にーOH基、-OCH3基などの修飾を受けたり、糖を付けたりして多数のフラボノイドに分かれる。
 現在では5,000種類のフラボノイドが記載され、6つの主要な亜群が知られ、フラボン(アピゲニン、ルテオリンなど)、フラボノール(ケルセチン、ミリセチンなど)、フラバン(ナリンゲニン、ヘスペリジンなど)、カテキン類ナイシフラバノール(エピカテキン、ガロカテキンなど)、アントシアニジン(シアニジン、ペルアルゴニジンなど)、イソフラボン(ゲニステイン、ダイゼインなど)である。これらのフェノール構造を持つ一連の天然物フラボノイドは果物、野菜、穀物、樹脂、根、茎、花、お茶、ワインなどに含まれている。この多くは花、果物、葉の魅力的な色素・味を提供している。
 効用としては抗酸化作用、発がん抑制、動脈硬化予防、血管保護および血流増加、老化抑制など多彩な作用が推測されている。

老化とフラボノイド
 老化の進行を早める後天的因子として、ストレス、紫外線、放射線、温度、栄養、煙草、酒などがあるが、これらの因子による原因として、スーパーオキシド、O2-などの活性酸素が脂質を中心とする細胞成分を破壊・異常化し、しかも連続的・不可逆的に拡大していく活性酸素、フリーラジカルによる作用が注目されている。このような細胞成分の過酸化連鎖を防ぐために、体内ではビタミンC、E、SOD、NADPH、GSH系などの抗酸化機能が働いているが、フラボノイド類の活性酸素消去能はより直接的、強力で、これを外部から投与することによって老化の防止に役立つと思われる。(近藤雅雄)

ビタミンU

 正式名は塩化メチルメチオニンスルホニウムといい、キャベツから見出されたため「キャベジン」とも呼ばれ、生体内で合成されるビタミン様物質である。主な作用としては、胃潰瘍や十二指腸潰瘍をはじめ、胃酸過多による胸のむかつき、食欲不振など、胃のトラブルを解消するといわれている。キャベツのほかにパセリ、レタス、セロリ、アスパラガス、牛乳、卵、青海苔などに含まれている。

テアニン

 茶葉(とくに玉露)に含まれるうまみと甘味成分で、グルタミン酸エチルアルドとも呼ばれ、カフェインの覚醒作用と異なり精神を安定させ、リラックスさせる作用があるといわれている。利尿作用も期待されている。

タウリン

 アミノエタンスルホン酸(H2NC2H4SO4H)というアミノ酸の一種で、からだの中に広く存在し、とくに細胞内のアミノ酸の中では最も多く、細胞内の浸透圧の調整や、活性酸素から生じる有害物質の中和、細胞膜の安定など重要な生理作用を持つ。
 タウリンは中国の明時代に出された薬学書「本草綱目」に記されている牛黄(ごおう)という生薬の成分の一つでもあり、ヒトでは母乳(初乳)中に豊富に含まれている。血圧や血中の脂質量などを正常にコントロールする働きを持ち、肝臓でコレステロールを分解し胆汁酸生成を促進することから高血圧改善、動脈硬化予防、心臓病予防、肝臓病予防、糖尿病改善などの効果があるといわれている。そのほか、血小板凝集抑制作用や脳神経の興奮を抑え、精神に落ち着きをもたらし、α波(瞑想の脳波)を誘発するといわれている。
 サザエ、トコブシ、牡蠣、ハマグリ、ホタテ貝、マグロ、タコ、ズワイカニ、ヤリイカ、ナマリ、アサリなどに多く含まれている。