ご挨拶

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日本の食文化の特徴は 多様な自然、風土、四季から得られる豊かな食材を活用し伝統食を長年続けてきたことにあります。戦後の食生活も日本型から洋風型へ と変化し 生活のリズム、ひいては生体リズムにも影響を及ぼし これが一方で生活習慣病メタボリック・シンドロームが増えるなどの原因になっていることも事実です。

私たちの身体にとって何が良いのか 食育の観点からもう一度食生活を見直す時期が到来しています。そのひとつとして「日本型食生活と健康」を提案しました。
こ の食育の考え方を通してより積極的な健康「Wellness」生活ができる一助となることを期待しています。 また、これからの美しい国 日本に必要なのは 素直にありがとうといえる優しいこころと命を大切にするこころを育むことが何より大切だと確信しております。このような考えが、皆様の 健康づくりの一助になれば幸甚の至りです。

私の食育の考えに賛同し このような場を与えてくださったテイクオン社に感謝いたします。

=====近藤 雅雄=====


苦瓜(ゴーヤ)の豊富な栄養素と難消化性デキストリンを一包に凝縮した「飲む健康ゴーヤエキス+難消化性デキストリン」

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1.ゴーヤの主な成分と健康効果
 ゴーヤには水が94.4%、たんぱく質1%、炭水化物3.9%、脂質0.1%が含まれ、残り0.7%がビタミンC、ビタミンB1、B2、B6、K、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅などの機能性物質を含んでいます。エネルギー量は17Kcal です。この内、可食部100g中にビタミンB1 0.05mg、ビタミンB2 0.07mg、βカロテン160μg、ビタミンC 76mg、カリウム 260mg 、食物繊維 2.6g と豊富に含まれています。

 ゴーヤは夏バテ・疲労回復、血糖値の調節、脂質異常の調節、血圧調節、むくみ・便秘の解消、ダイエット、老化防止・美肌作り、紫外線・シミ対策、貧血予防、肌荒れ・ニキビ予防などに有効であると言われています。とくにビタミンCはキュウリの14mgやトマトの15mgに対して5倍以上も含まれ、野菜の中で唯一、加熱に強いという特性を持っています。また、鉄分はほうれん草の約2.3倍含まれ、葉酸とともに貧血の予防になります。ビタミンB群は生体エネルギー(ATP:アデノシン三リン酸)の生産に不可欠で、疲労回復、皮膚や粘膜の正常化に、カリウムは腎臓でナトリウムの排泄に働きますので血圧の低下に各々役立ちます。

 苦み成分としてチャランチンとモモルデシン、コロコリン酸が含まれ、チャランチンとコロコリン酸は植物インスリンとも言われ、血糖値の正常化、糖尿病の血糖値改善(食後高血糖改善)に役立つと古くから注目されています。ヒトのインスリンと同様に肝臓や筋肉へのブドウ糖の取り込みを促進し、グリコーゲンの合成を促すことが報告されています。動物実験では糖尿病改善効果、抗ウイルス作用、抗炎症作用、コレステロール低下作用、抗癌作用、免疫調節なども報告されています。チャランチンやモモルデシンには活性酸素を還元する作用も報告されています。

 食物繊維は100g中水溶性0.5g、不溶性2.1g含まれ、腸内の善玉菌の増殖を促進し、糞便量を増やし、腸内環境を整えます。サポニンはコレステロールや老廃物を排出し、動脈硬化、糖尿病、がんの予防、胆汁酸の分泌や産生を促してコレステロール値を下げます。

2.難消化性デキストリンの健康効果
 難消化性デキストリンは天然の澱粉から作られた水溶性の食物繊維で①食後血糖上昇抑制作用②食後中性脂肪上昇抑制作用③血清脂質低下作用④内臓脂肪低減作用⑤整腸作用⑥ミネラル吸収促進作用などの効果が報告され、安全な食品として消費者庁で認められています。

3.飲む健康ゴーヤエキス+難消化性デキストリン
 難消化性デキストリンはゴーヤエキスと同時に摂取することで水溶性と不溶性のバランスが保たれることが推測され、食物繊維の効果とゴーヤの栄養分の効果に相加・相乗効果が期待できると期待されます。とくに、糖代謝と脂質代謝の改善に対する効果とビタミン、ミネラルなどの吸収促進が期待されます。

 「飲む健康ゴーヤエキス+難消化性デキストリン」はゴーヤの栄養素を丸ごと水、熱湯などで溶かしておいしく召し上がれます。そして、現代人の摂取量が不足している食物繊維を補給することができます。本商品はテイクオン(株)から販売していますので、ご利用ください。

飲用の注意
 ゴーヤには血糖低下作用のある成分が含まれていますので、効果の現れやすい子どもや高齢者および糖尿病患者の場合は飲みすぎに注意してください。また、妊娠中にゴーヤを食べると流産を起こしやすいと言われています。さらに腹痛や下痢といった消化器症状、頭痛などが現れた場合は摂取を見合わせた方がよいでしょう。

こころとからだの健康(14) 遊びから学ぶ幼児教育、子育て習慣および期待される人材

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 この数十年の間に子育てに関する社会環境は大きく変化しました。核家族化や男女共同参画社会の進展など、例を挙げればきりがありません。そうした現代社会において最も懸念されるのは、子育てをする親が孤立してしまうことです。そこから多様な悲劇が起こるとも限りません。昔は大家族、そして近所に子どもの遊び場が沢山あり、親子ともども自然に地域コミュニティーが形成されていました。しかし、都市化と共にそうしたコミュニティーは徐々にその姿を消し、結果として子育てについて気楽に相談できる環境も減少しています。子育てには周囲のサポートが不可欠です。家族の協力は勿論のこと、地域社会の協力も必要です。どれだけ時代や社会環境が移り変わっても、「子どもは一人で育てるものではない」ことに変わりはありません。
 そこで、幼児教育の基礎と子育て習慣について考えました。現在、子育て中の保護者の参考になれば嬉しいです。(近藤雅雄:平成28年5月8日掲載)

幼児教育の基本~人間形成の基盤を成すこころの教育とは
 この地球上にて生を受けた人間は地球の恵みに感謝し、自然の恵みを大切にする。そして、自分自身を愛し、家族、友だちを愛し、社会、地球を大切にできる。そんな人間らしさと幸福感に満ちた環境にて子どもを育て、次代に繋いで行く。それが親の責任だと思います。子育て並びにヒトの本質はいつの時代も同じであり、それは「遊ぶこと」です。遊びの環境を設定し、育てるのが保護者の役割です。
 多様な遊びは様々な体験・体感を通して、生きるこころと力、いのちを大切にするこころ、他者を思いやるこころを学びます。これが人間形成の基盤を成すこころの教育であり、人としての基礎となります。
 そのためにも、「教育」を共に育むとした「共育」のこころを持つことです。父親、母親の育った環境とこれからその子どもが育つ環境では20年以上の隔たりがあり、それと共に成育環境は大きく変化しています。したがって、子どもの目線で子どもの育つ時代の環境にて子どもを育むことが大切です。
人の本質
遊びから学ぶ子育て
 人間には「言語的知性」「音楽的知性」「絵画的知性」「論理数学的知性」「身体運動的知性」「感情的知性」「社会的知性」という8つの知性があると言われています。これらの知性は就学前の4~5歳前後をピークとして形成されるもので、「遊び」によって育まれます。人間の知性、こころは脳の活動に直結していますので、就学前こそ、幼児教育に必要な多くの遊びや体験・体感によって、豊かな知性を育むことが重要で、それが成人になって一つまたは複数の知性が大きく育つ要因になります。
 多くの親が子どもの「教育」について悩んでいるようですが、子育てには迷いや不安はつきものです。難しく考える必要はありません。なぜなら、子どもの成長に最も必要なのは、この「遊び」だからです。とくに幼少期の教育は「遊びの場を用意してあげること」くらいに考えて丁度良いのではないかと思います。お父さん、お母さんはまず、子どもと一緒に遊んであげることから始めましょう。楽しそうな親の姿を見ると、子どもはもっと楽しくなります。そうすると図に示しましたが、好奇心・集中力が増し、さらに多くの事を遊びから吸収するようになります。それが創造力や自発性、課題発見力、さらには生きる力へとつながっていくのです。
 もちろん、親も子どもが遊ぶ中から学ぶことは沢山あります。よく言われることですが、やはり教育は「共育」、育児は「育自」なのです。ぜひ「子どもと」遊ぶ中で「子どもを」学んでください。学びに対する親の姿勢は、必ず子どもに受け継がれていきます。“共育の質の向上は人生の質の向上を担保する”ように子どもとその家族はそれぞれの道、人生に一つの目標・志を持ち、前向きに生きるこころを身に付けます。そして、“社会が求める人間力”が育まれます。
人間としての基礎力
社会が求める人材
 “社会が求める人間力”とは図に示しましたように、3つのパワーから成ります。これは社会・国家が求める人材であり、この基礎が幼児期の「遊び」から養われます。人間社会で生きる上で重要なこの3つのパワーとは、①前に踏み出す力(action power);すなわち、主体性を持って前向きに働きかける力、実行力、②考え抜く力(thinking power);すなわち、課題発見力、計画力、創造力、③チームで働く力(teamwork power);すなわち、発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、起立性、ストレスコントロール力が身に付きます。これらの基礎力を身に付ける上で基本となるのが、以下に挙げた家族の子育て習慣です。

父親・母親の良い子育て習慣
1.家族の間で、朝起きたら「おはようございます」と言い、毎日挨拶を欠かさないようにしましょう。また、一日に最低一度は食事など団欒の時間を作りましょう。
2.家族は毎日きれいな言葉を使うように努力しましょう。子どもに「お前」「てめえ」「がき」などの汚い言葉で呼ばず、一人の人間として人格を尊んで名前で呼んでください。
3.家族はすべて一人ひとり、お互いに人として尊敬し合い、お互いが感謝のこころを持って接するように努力しましょう。
4.家族は一つの組織です。一人で頑張らないで家族で協力・分担して、日常的に楽しく笑顔を絶やさないよう前向きに生きる努力をしましょう。また、子育てを応援してくれる良い友達を複数持ち、コミュニティーを大切にしましょう。
5.子どものこころの痛みを自分のこころの痛みとして感じる「思い遣り」のこころを持ちましょう。また、子どもとのスキンシップによるコミュニケーションを大切にしましょう。
6.お互いを理解し合い、人の言うことをよく聞きましょう。また、何でも相談し合える環境を創るよう努力しましょう。これらが人間関係を形成していく上で大切になります。
7.子どもを泣かすより笑顔を引き出すように努力しましょう。子どもが病気でもないのに泣くのは、悲しいか、怖いかのどちらかです。子どもの気持ちを理解することが大切です。
8.子どもが良いことをしたときや、言うことを聞いたとき、頑張ったときなどは積極的にほめてあげましょう。叱りつけるよりもほめることを優先し、子どものやる気・意欲・能力を引き出すように努力しましょう。「教育」とは「引き出す」という意味でもあります。
9.自然に接する機会をたくさん作り、体験・体感を豊かに育てましょう。ノーベル賞学者など世の中の偉人と呼ばれる人のほとんどが、幼児期には遊びの多い自然の中で育っています。
10.「sense of wonder」という言葉があります。これは「不思議さや神秘さに目を見張る感性」を指し、子どもの教育に大変重要です。子どもは成長過程で様々な体験・体感を通して好奇心、自発性、創造力をからだとこころで育みます。

参考図書
近藤雅雄:子育てハンドブック、Tokyu Child Partners、東急グループ、2015
澤口俊之:幼児教育と脳、文春新書、2004
浜尾実:子どもを伸ばす一言、ダメにする一言、PHP文庫、2001
(近藤雅雄:平成28年5月8日掲載)

こころとからだの健康(13)目の病気の予防・対策に必要な栄養素と食品

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 近年、スマホやコンピュータ、大画面テレビなどの急速な発展による生活環境の変化に伴って眼精疲労・ドライアイを自覚する人が増加すると共に白内障、緑内障、加齢黄斑変性などの失明に至る眼病が注目されるようになった。これら背景にはスマホやコンピュータの発展以外に高齢人口の増加と日常的なストレス、偏った食事、無理なダイエットなどによるビタミンやミネラル類の過不足など、栄養障害が考えられることから目の病気も生活習慣に関わる疾病と言える。
 目はこころとからだの健康維持に重要であり、目の病気は様々な行動の妨げとなるなど、日常生活への負の影響は計り知れない。疲れ目やかすみ目で悩んでいる人、スマホやパソコンなどで目を四六時中酷使している人や自動車やトラックのドライバー、飛行機のパイロットなどは一度自分の食生活を見直すことが大切である。普段の食事を意識して摂取する習慣を身に付けたい。食事で摂取できない時は視力回復のサプリメントや緑黄色野菜、果物などを積極的に摂りいれることも考えたい。
 世界の中でも日本人の視力低下は著しく、最近の調査では約83%の人がメガネかコンタクトを使用し、近視の低年齢化が問題となっている。目に関することわざは多数あるが、その中で「目は心の鏡」「目は人の眼(まなこ)」と言われるように、目はこころとからだの入力部位であり、こころとからだを映し出している。目は生体すべての感覚情報の約80%を占めると言われ、生体に入る情報は目に依存していると言える。
 人間において、視力が形成されるのは生まれてから後天的に徐々に発達し、5~7歳位までに完成すると言われている。したがって、この期間における目のケアーにはとくに十分に注意したい。また、目は12~13歳頃から老化が始まると言われている。生涯において目を大切にするこころを持って、目の健康に気を配り、食環境と同時にストレス解消の方法を自分なりに考え、美しい目を保持したいものである。
 本稿では目の病気の予防・対策に必要な栄養素・食品について調査を行った。論文の内容はⅠ.視覚と目の病気(1.視覚の性質、2.目の病気、3.失明の原因となる疾患)、Ⅱ.眼病の予防に良いとされる栄養素と食品(1.眼精疲労・ドライアイに良い栄養素、2.近視抑制に良い栄養素、3.白内障、加齢黄斑変性などに良い栄養素、4.抗酸化物質の機能、5.ブルーベリーは目が良くなる食べ物の代表)、Ⅲ.眼に良い栄養素(1.抗酸化物質、2.ビタミン類、3.ミネラル類、その他)からなる。
 内容詳細は以下のpdfを参照されたい。(近藤雅雄:平成28年2月8日掲載)
こころとからだの健康(13)眼の病気の予防・対策に必要な栄養素{pdf}

指定難病「ポルフィリン症」診断法の開発、患者発見に対する熱い思い

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1.研究のきっかけ
 骨髄性プロトポルフィリン症の子どもの患者さんと28歳時に出会ってから約40年近く、ポルフィリン症の研究を行って来ました。私が研究を始めた1970年代、ポルフィリン症の診断技術は今とは異なってかなり未熟でした。ポルフィリンの測定は溶媒抽出法が主流で、測定に関わる試料の量は尿が50ml、血液は10mlを最低必要としました。しかも、測定できるのはウロポルフィリン、コプロポルフィリン、プロトポルフィリンの3種類でした。さらに、その3種類のポルフィリンはいずれも厳密に分離することができず、正確な量を知ることは困難でした。さらに、測定にはポルフィリンが光で分解することから、暗い実験室での分析が必須で、その時間は約1日を要しました。したがって、ポルフィリン症の診断には高度な技術、費用、時間がかかることから、殆ど国内では行われず、研究者もいませんでした。そのために、ポルフィリン症の診断は大変遅れ、病院外来においても診断できないため、病院を何カ所も変えたり、または誤診される確率が非常に高い病気でした。この病気は生後の生活習慣による光照射、ストレスや医薬品などの薬などによって発症・増悪するので、早期発見することが何よりも大切です。診断法の開発が急がれました。
ポルフィリン類

2.診断技術の開発
 そこで、これらの難点を一つひとつ解消するために、当時のポルフィリン標準物質を用いて、ポルフィリンの微量迅速測定法の開発を試みました。それは何よりも、ポルフィリン症の診断法を確立したいという熱い思いの下、各種分析法の検討に入りました。漸く、1970年代後半、血液、尿、糞便・組織中のポルフィリン類の分析法として、血液及び尿10μℓ、糞便・肝組織50mgといった微量試料を用いて、生体内に存在する全ポルフィリン類(約20種類あります)をほんの数10分で測定できる高速液体クロマトグラフィーを用いた画期的な自動微量迅速分析定量法を開発しました。この開発には、当時日本分光工業(株)の富田さん(故人)を中心に多くの分析の専門家の協力によって確立することができました。

3.遺伝性ポルフィリン症の確定診断
 我が国で初めて、ポルフィリン症の診断法の研究が行われると同時に、全国の医療機関からポルフィリン代謝異常が疑われた患者さんの尿、血液、糞便試料中のポルフィリンの分析依頼が殺到、もしくは全国医療機関に出かけて患者さんの試料を採取させていただきました。この1978年~2007年2月の約30年間に、総検体(試料)数は約5000に上り、ポルフィリン症の疑わしき患者数は1400例以上に上りました。この内、遺伝性ポルフィリン症として確定診断されたのは、以下の203例でした。

 その内訳は『先天性骨髄性ポルフィリン症11例(男性M=7例、女性F=4例)、骨髄性プロトポルフィリン症39例(M=29例、F=10例)、ALAD欠損性ポルフィリン症1家系6例(M=4例、F=2例 )、肝骨髄性ポルフィリン症2例(M=2例)、急性間歇性ポルフィリン症73例(M=11例、F=62例)、異型ポルフィリン症14例(M=2例、F=12例)、遺伝性コプロポルフィリン症14例(M=8例、F=6例)、ハルデロポルフィリン症1例(M)、晩発性皮膚ポルフィリン症43例(M=39例、F=4例)』です。

 これに、最大の恩師である浦田郡平先生(元国立公衆衛生院部長)、及び共同研究者の工藤吉郎先生(元聖マリアンナ医科大学教授)によって見出された遺伝性ポルフィリン症を加えると約250例になります。これら遺伝性ポルフィリン症については、1920年に日本で初めて報告されてから2010年までの約90年間に926例が報告されていますが、この内、我々が見出した患者数は実に27%に相当します。
 1970年~1990年代、遺伝性ポルフィリン症は一部の高い志を持つ教授らによって次々に発見され、ポルフィリン症研究に多大な貢献が成されました。中でも、野中薫雄先生(元長崎大学医学部教授)を中心としたグループは教授自ら教授室に分光光度計を設置し、光線過敏症で外来に来た患者さんの尿を片っ端からポルフィリンの測定を行い、その結果、合計約50例の骨髄性プロトポルフィリン症(EPP)と晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)を発見し、ポルフィリン症の診断及び治療法の研究を行いました。また、佐々木英雄先生(元山形大学医学部教授)を中心としたグループは急性ポルフィリン症の研究を行い、教授自ら東北各地を駆け回って遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)の発見に尽力され、その結果、我が国のHCPの殆どが先生らによって発見されました。これら諸先生方の研究成果は論文となり、現在もなお高く評価されております。

4.その他のポルフィリン代謝異常症の診断
 一方、遺伝性のポルフィリン症ではありませんが、ポルフィリン代謝異常症の疑いによって医療機関から検査依頼された疾患として、『鉄欠乏性貧血症15例(M=0例、F=15例)、Dubin Johnson症候群25例(M=10例、F=15例)、Rotor症候群2例(M=2例)、鉄芽球性貧血症59例(M=36例、F=23例)、鉛中毒症5例(M=3例、F=2例)、ヒ素中毒症6例(M=2例、F=2例)、カネミ油症3例(M=1例、F=2例)、ピロール中毒症22例、βタラセミア2例(M)、骨髄異形成症候群6例(M=3例、F=3例)、赤白血病1例(M)、再生不良性貧血症1例(F)、色素性乾皮症 2例(M)、ヘモクロマトーシス1例(M)、急性肝炎15例(M=10例、F=5例)、肝がん8例(M=6例、F=2例)、肝硬変症8例(M=6例、F=2例)、伝染性軟属腫1例(M)、伝染性膿痂疹1例(M)、先天性赤血球異形性貧血(CDA)2例、Refractory anemia with an excess of blasts (RAEB) 2例、Primary acquired refractory anemia (PARA) 4例、Primary acquired sideroblastic anemia (PASA) 13例、遺伝性球状赤血球症、遺伝性楕円赤血球症、腎不全患者、てんかん、精神性疾患等々』の多種類の疾患患者からポルフィリンの測定を行いました。測定に際しては、ポルフィリンおよびポルフィリン前駆物質だけでなくクレアチニンやヘモグロビンなども測ると同時に、これら疾患の血液検査などの臨床検査結果、病態、症状、発症機序、診断、治療法なども同時に検討しなければなりません。
 測定の結果は、勿論、遺伝性ポルフィリン症ではありませんでしたが、すべてにおいて何らかのポルフィリンの代謝異常があることを見出しました。とくに、肝障害と造血障害では殆どの疾患でポルフィリンの代謝異常が存在することがわかりました。今や、これら疾患の病態生化学機序解明に重要な知見となっています。
 さて、私が研究機関を退職した2007年以降、現在までに、ポルフィリン症の研究者も急激に少なくなり、確定診断に必須なポルフィリン測定を行う研究・検査機関も殆ど無くなってしまったのが現状です。今後、国の「指定難病」承認を機会に、研究者及び検査機関が増えることを切に願っています。(近藤雅雄:ポルフィリン症診断法の開発に対する熱い思い、2015年7月7日掲載)

日本型食生活と健康

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平成17年10月5日、虎の門パストラル(東京)にて第6回健康食品フォーラム「『食育』と健康食品」(主催:財団法人医療経済研究所・社会保険福祉協会、後援:内閣府、厚生労働省、農林水産省、文部科学省)をテーマに基調講演が行われました。その内容を一部修正して、掲載しました。

講演内容は、現代の健康問題を日本人が古来から獲得してきた「日本型食生活」の観点からとらえなおすとともに、日本型食生活が欧米型の食生活と比べてどう優れているのか、さらに高齢者に対する食育啓蒙が食育全体に及ぼす効果に関する介入試験の結果をご紹介し、最後に健康健康フォーラム0510食品の現状と食育に関して、それぞれ科学的根拠を基に解説いたしました。
内容は、以下の順にそって解説いたしました。

1.生活の乱れが生む生体リズムの乱れ
  食育(社福協)1pdf 近藤
2.食育の教育的アプローチと環境的アプローチ
  食育(社福協)2pdf 近藤
3.抗酸化栄養素・魚介類の摂取が日本型食生活の特徴
  食育(社福協)3pdf 近藤
4.高齢者への食育・健康意識の啓蒙が食育の輪を広げる
  食育(社福協)4pdf 近藤
5.健康な身体の第一歩は生活リズムの構築から
  食育(社福協)5pdf 近藤

(近藤雅雄:日本型食生活と健康、2015年6月15日掲載)